※当ページは広告を含みます
UNIQUEONの評判が気になっている。ユニコーンのコードバン財布の中身を知りたい。レーデルオガワという会社の名前を聞いたが、何者なのかが分からない。
この3つの疑問は、すべて1つの構造でつながっています。本記事はその構造を解いた上で、UNIQUEONの財布ラインナップを「素材から選ぶ次の一つ」として読み解く記事です。
私はレザースタイルラボの運営者として、これまで30以上の革ブランドを実物で見比べてきました。その中で、UNIQUEONは「ブランド名で買う自分」に違和感を持ち始めた人の、次の一つとして強く印象に残っているブランドです。
この記事を読み終える頃には、次の3つが見えているはずです。
- UNIQUEONを運営しているのは誰で、なぜ財布を作っているのか
- レーデルオガワが「素材メーカーとして直営ブランドを出す」ことの構造的な意味
- UNIQUEONの財布の中で、あなたに合う1つがどれか
先にUNIQUEONの公式ラインナップを眺めながら、本記事を読み進める
UNIQUEONとは何者か?レーデルオガワとの関係

UNIQUEONは、コードバン素材製造会社「有限会社レーデルオガワ」が直営する革製品ブランドです。
「素材メーカーが直営ブランドを出している」という事実が、UNIQUEONを他のブランドと根本的に分ける核心です。GANZOやココマイスターのような革製品メーカーは、革をタンナーから仕入れて加工しています。一方、UNIQUEONは革そのものを作っている会社が、自分たちで縫って財布にしているのです。
レーデルオガワは何を作っている会社か?
レーデルオガワは、コードバンという特殊な革を作る、世界でも数社しかない素材メーカーです。
コードバンは馬の臀部の特定の層から取られる革で、1頭の馬から手のひら2枚分ほどしか取れません。この希少な革を、ピット槽で時間をかけて鞣し、グレージングと呼ばれる磨き作業でガラスのような光沢に仕上げます。日本国内でこの工程を一貫して手がけている会社は、ほぼレーデルオガワしかないのです。
GANZO、ココマイスター、土屋鞄、万双、ブレイリオ、CIMABUEなど、コードバン財布を扱う日本の有名ブランドは、すべてレーデルオガワから革を仕入れています。つまりレーデルオガワは、日本のコードバン業界の根っこにいる会社です。
UNIQUEONが立ち上がった経緯は?
UNIQUEONは、レーデルオガワの代表取締役である飛田英樹氏が、自社の革で財布を作るために立ち上げたブランドです。
素材メーカーとして長年やってきた中で、「自分たちの革が、どんな縫い方をされて、どんな表情の財布になるのか」を自社の目線でコントロールしたい、という思いがあったと推測されます。実際、飛田氏は縫製メーカーに自ら通って関係を築き、素材と縫製の両方を自分の目で選んでいるのです。
YouTubeチャンネル「LEDER OGAWA – Leather Connection -」では、製造現場や職人の手元が動画で見られます。素材メーカーの代表が「現場を歩く」姿が記録されている点が、他のブランドとは違う透明性を生んでいます。
なぜ素材メーカーが直営ブランドを出すのか?
素材メーカーが直営ブランドを出すのは、業界構造の中ではかなり珍しい動きです。なぜそれをUNIQUEONが選んだのか、構造を読み解くと意味が見えてきます。
素材メーカー直営は何が「異常」なのか?
素材メーカーが直営ブランドを出すのは、自社の革の取引先と「競合関係になる」ことを意味します。これが「異常」と呼ばれる構造です。
レーデルオガワがUNIQUEONを出すということは、GANZO・ココマイスター・土屋鞄など、自社の革を買ってくれている取引先と、市場で同じコードバン財布を売り合う関係になるということ。普通の素材メーカーなら、取引先との関係を壊さないように、自社ブランドを持たないのが定石です。
それでもUNIQUEONを立ち上げたということは、「自社の革で財布を作る価値が、取引先との緊張関係を上回る」と判断したことになります。この判断の重みが、UNIQUEONを他のブランドと違うポジションに置いている理由です。
素材から作る会社の財布は何が違うのか?
素材から作る会社の財布は、革の状態を最も深く知っている人が選んだ革で仕立てられている、という点が他のブランドと違います。
GANZOやココマイスターも、レーデルオガワから上質な革を仕入れています。ただし、革を選ぶ段階で「同じ品質の中から、どのロットを引くか」の判断は、革を作っている人と買う人では深さが違うのです。レーデルオガワは自社の革を全て見ているので、「今期のこのロットは特に表情がいい」「このスライス断面は3年使った時に最も美しく育つ」といった判断ができます。
これは、ワインで言えば「畑を持つ作り手が自分の畑のブドウで仕込んだワイン」と「他人の畑のブドウを買って仕込んだワイン」の違いに近いものです。原料から自分でやっている人の作る完成品には、別の重みがあります。
コードバンとは何か?革のダイヤモンドの正体

コードバンは、馬の臀部の特定の層から取られる希少な革で、その光沢から「革のダイヤモンド」と呼ばれます。
ただ、「革のダイヤモンド」という表現だけだと、コードバンの本当の凄さは伝わりません。素材メーカーの目線で、もう少し具体的に解説します。
コードバンはなぜ希少なのか?
コードバンが希少な理由は、1頭の馬からほんの少ししか取れない上に、加工に膨大な時間がかかるからです。
馬の臀部の中でも「コードバン層」と呼ばれる特定の層だけがコードバンになります。1頭から取れるのは、手のひら2枚分ほど。これを6ヶ月から1年かけてピット槽で植物タンニン鞣しを施し、さらに数ヶ月かけてグレージングで磨き上げます。原皮から完成革まで、合計で1年から2年かかるのです。
世界でこの工程を続けている会社は、米国のホーウィン社、英国のクレイトン社、そして日本のレーデルオガワなど、数えるほどしかありません。革の中でも最高位の希少性を持つ素材です。
水染めと顔料染めはどう違うのか?
コードバンには「水染め」と「顔料染め」の2種類の仕上げがあり、革の表情と耐久性が大きく違います。
水染めコードバンは、革本来の繊維に染料を浸透させる方法で仕上げられます。表面に塗膜がない分、革の経年変化が美しく出て、艶が深まっていきます。ただし水に弱く、雨に濡れると銀浮きと呼ばれる白い曇りが出ることがあります。
顔料染めコードバンは、革表面に顔料の層を乗せる方法で、水や擦り傷に強い特性があります。経年変化は控えめですが、日常使いの耐久性が高いのが特徴です。UNIQUEONには両方のラインがあるので、自分のライフスタイルに合わせて選び分けるのが現実的です。
UNIQUEONの財布ラインナップ全体像
UNIQUEONの財布ラインは、コードバンの仕上げ方の違いで主に3つに分かれます。
素材メーカー直営という強みを活かして、同じコードバンでも仕上げの方向性が違うラインを並列で展開しているのが特徴です。
UNIQUEONのコードバンはどんな種類がある?
UNIQUEONのコードバンには、主にアニリン染め系・オイル仕上げ系・水染めの3つの系統があります。
アニリン染め系は、革に塗膜を作らずに染料だけで色を入れる方法で、革の表情が透けて見える美しさが特徴です。光沢の深さと経年変化の楽しみを両立できます。
オイル仕上げ系は、革にオイルをたっぷり含ませた仕上げで、しっとりとした手触りと水への耐性が魅力です。日常使いで雨を気にする人に合います。
水染め系は、革本来の繊維に染料を深く浸透させる伝統的な方法で、3年5年と使うほどに艶が深まる育成型の仕上げです。コードバン本来の経年変化を最も楽しめます。
あなたが選ぶならどのラインか?
選び方の基準は、革と過ごす時間の長さと、雨の日への配慮の優先順位で決まります。
10年以上育てたい、経年変化を最大限楽しみたい人は、水染め系が向いています。最初の数年は変化を待つ時間が必要ですが、5年10年と経つほどに、他のどの財布にもない表情が育ちます。
日常的に使い倒したい、雨の日も気にせず持ちたい人は、オイル仕上げか顔料染めが現実的です。経年変化はゆっくりですが、日々の使い方に余裕が生まれます。
美しさと耐久性のバランスを取りたい人は、アニリン染め系がちょうど中間にあります。塗膜が薄いので革の表情が透けて見えつつ、水染めよりは水に強い設計です。
UNIQUEONはどこで実物を見られるか?

UNIQUEONの実物は、銀座にあるレーデルオガワのギャラリーで見られます。
素材メーカー直営の独特の空気感を体験するには、公式LPの写真や動画よりも、実物のショールームに足を運ぶ価値が大きいのです。
銀座 奥野ビル3階のレーデルオガワ ギャラリーとは?
レーデルオガワのギャラリーは、銀座一丁目の奥野ビル3階にあります。
奥野ビルは1932年竣工の歴史的建造物で、現代の銀座の中で独特の空気を放っている建物です。古いエレベーターの手動扉、薄暗い廊下、各階に小さなギャラリーやアトリエが並ぶ構造は、量産消費から離れた「作る人と買う人が直接会う場所」の雰囲気を残しています。
この奥野ビルの3階にUNIQUEONのギャラリーがあること自体が、ブランドの立ち位置を示しています。大型商業施設ではなく、作り手の存在を感じられる場所で、自分の革と出会う体験です。
店頭で見るとオンラインと何が違うのか?
店頭で見ると、コードバンの光沢の深さがオンラインの写真では分からないレベルで実感できます。
コードバンは見る角度によって表情が変わる革で、特にグレージング仕上げの艶は、写真ではどうしても平面化されてしまいます。実物を斜めから見たときの光の反射、指で触れた時の温度感、革の重みは、ショールームでしか体験できないものです。
銀座まで足を運ぶ時間がない場合は、公式オンラインで先に絞り込んで、購入は実店舗または通販で、という流れも現実的です。
UNIQUEONの正直な弱点とケア方法
UNIQUEONを選ぶ前に、正直な弱点とケア方法を知っておくのが大切です。
素材メーカー直営の本物だからこそ、コードバン本来の弱点もしっかり付いてきます。良いところだけを伝えるのは誠実ではないので、デメリットも含めて整理します。
UNIQUEONのコードバンは水に弱い?
水染め系のコードバンは、雨に濡れると銀浮きと呼ばれる白い曇りが出ることがあります。
これはコードバン特有の現象で、家庭で修復するのは難しいです。雨の日に長財布を取り出した数十秒で起きることもあります。
対策は3つあります。1つ目は、雨の予報の日はコードバン財布を持ち歩かない判断をすること。2つ目は、オイル仕上げや顔料染めのラインを選ぶこと。3つ目は、撥水スプレーを使う方法ですが、これは革本来の風合いを変える可能性があるので、自己判断になります。
長く育てるためのケアはどうすればいい?
コードバンを長く育てるには、月1回のクリーム補給と、毎日の乾拭きが基本です。
クリームは、コードバン専用のもの、または無色のシンプルな革用クリームが安全です。塗りすぎるとべたつくので、薄く伸ばすのがコツです。毎日の乾拭きは、ホコリと皮脂を軽く拭き取る程度で十分です。
使わない期間が長くなる時は、布袋に入れて型崩れを防ぐ保管が安心です。革が呼吸できるよう、ビニール袋には入れないでください。
まとめ|素材から選ぶ次の一つとしてのUNIQUEON
UNIQUEONは、コードバン素材製造会社レーデルオガワが直営するブランドで、「素材から選ぶ次の一つ」を探している人に強く向いています。
GANZO・ココマイスター・土屋鞄など、コードバン財布の有名ブランドはすべてレーデルオガワから革を仕入れています。その素材を作る会社が、自分たちで仕立てた財布を出している、という構造の重みが、他のブランドと違う体験を生むのです。
あなたが「ブランド名で買う自分」に違和感を持ち始めた人なら、UNIQUEONは答えの方向にある選択肢の一つです。アニリン染め・オイル仕上げ・水染めの3つのラインから、自分のライフスタイルに合わせて選び分けてください。
実物を見るなら銀座一丁目の奥野ビル3階、オンラインで選ぶなら公式ラインナップで、自分に合う1つの最新の表情を確かめてみてください。
