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取引先とのカフェで、会計の伝票が回ってくる。財布を取り出すこの一瞬、相手の視線がテーブルの上に落ちることがあります。
スーツも靴も少しずつ良いものに替えてきました。それなのに財布だけは、何年も前のままだったりします。
コードバンが良い革だというのは、もうご存じかもしれません。問題は、ブランドが多すぎることです。
どのサイトも似た説明で、結局どこがどう違うのか分かりません。値段は張ります。ハズレは引きたくありません。
先に大事なことだけ伝えます。今回くらべる日本製の2ブランド、UNIQUEONとCIMABUEは、同じ会社が日本で染めたコードバンを使っています。
だから素材の素性は近い。違いが出るのは、内装と価格と色、そして買い方です。
まずはコードバンそのものを軽くおさらいしてから、2つのブランドを並べていきます。
そもそもコードバン財布とは?なぜ「革のダイヤモンド」と呼ばれる?
コードバンは、馬のおしりから取れる革です。1頭からごくわずかしか取れません。
だから希少で、革のダイヤモンドと呼ばれます。特徴は、表面の艶。ガラスを磨き上げたような光沢があります。

手元の財布を窓際の光に当てると、表情がすっと変わる瞬間があります。3年使ってきて、この光り方は他の革では見たことがないと思います。
コードバンにはいくつか仕上げの種類があります。今回の2ブランドは、どちらも「アニリン染め」と呼ばれる仕上げのコードバンを使っています。
革の表面に薄く色を入れて、革本来の風合いと透明感を残すやり方です。使い込むほど艶が深まっていきます。
最初は少し硬い。それが手になじんで、艶が乗ってくる。この変化を待つ時間が、コードバンの楽しみだと感じています。
コードバン財布のデメリットは?買う前に知っておくこと
良いことばかりではありません。先に弱点を正直に書きます。
まず、水に弱い。雨に濡れたり、濡れた手で触ったりすると、表面が膨らんで跡が残ることがあります。「水ぶくれ」と呼ばれる現象です。
私も一度やりました。小雨の日に上着のポケットに入れていて、帰って気づいたら表面がうっすら波打っていました。
あのときのヒヤッとした感じは、いまも覚えています。乾かして事なきを得ましたが、雑には扱えない革だと身にしみました。
傷も付きやすいです。表面がなめらかなぶん、引っかき傷が目立ちます。買って最初の数ヶ月はとくに気をつかいます。
手入れも要ります。たまに乾拭きして、艶を整える。これを面倒に感じる人には向きません。
そして価格。コードバン財布は4万円台からが普通です。気軽に買える金額ではありません。
財布を雑に扱いたい人、手をかけたくない人には、正直おすすめしません。逆に、一本を長く育てる時間を楽しめる人には、他では代えがたい革だと思います。
UNIQUEONとCIMABUEは何が違う?実は染め元が同じ
先に答えだけ書きます。この2ブランドのコードバンは、どちらも「レーデルオガワ」という千葉県柏市の会社が染めています。
素材の素性は、ずいぶん近いんです。UNIQUEONは、そのレーデルオガワ自身が出している自社ブランドです。
コードバンを染める会社が、自分たちで財布まで作っています。CIMABUEは、株式会社コランドのブランドです。
レーデルオガワに別注したアニリンコードバンを使って、財布に仕立てています。染め元が同じなら、艶の傾向も近くなる。
だから「どっちの革が上か」で悩む必要は、あまりありません。違いが出るのは、ここから。
内装の革、価格、色の選択肢、そして買い方です。1つずつ見ていきます。
UNIQUEONのコードバン財布はどんな人に向く?
UNIQUEONは、染め元が直接作る「素材の素性」に納得して選びたい人に向いています。コードバンという革そのものに惚れている人、と言ってもいい。
公式には、素材も縫製もすべて日本の熟練職人が手掛けると明記されています。財布のかたちは、たとえばこんな並びです(公式・税込・2026年6月確認時点)。
- ミドルウォレット:44,000円
- バンドルウォレット:67,100円〜70,400円
- ラウンドファスナーウォレット:84,700円〜89,100円
表はアニリン染めコードバン、内装は日本のタンナーが作るUNIQUEON特注の本ヌメ革が基本です。色によっては内装にイタリアのミネルバボックスを使ったモデルもあります。
朝、出かける前にミドルウォレットを手に取る。光に当てて、今日の艶を確かめてから上着の内ポケットに入れる。そういう所作が似合う財布です。
正直な弱点も書きます。UNIQUEONはまだ知名度が高くありません。
背景を知らない人から見ると、値段だけ高く見えるかもしれない。ラウンドファスナーは8万円台で、決して安くない。
それでも、染める会社が自分で作っているという事実は、革好きにとって大きい。素材の出どころがはっきりしている安心感があります。
染め元が直接作るコードバンを見てみる
ミドルウォレットの艶と内装の本ヌメ革は、公式の写真で表情がよく分かります。UNIQUEON公式サイトで艶を確かめる
CIMABUEのコードバン財布はどんな人に向く?
CIMABUEは、色を選ぶ楽しさを大事にしたい人、価格をやや抑えたい人に向いています。財布のかたちと価格は、現在こんな並びです(公式・税込・2026年6月確認時点)。
- フラップミドルウォレット(かぶせ深札入れ):47,300円
- ラウンドファスナー長財布:57,200円
色はブラックやブラウン、ネイビー、ボルドーなど、時期によって複数から選べます。このうちのいくつかは、レーデルオガワに別注したCIMABUEだけの色です。
内装には栃木レザーの本ヌメ革を使っています。色を並べて、自分の一本を選ぶ。
ネイビーにするかボルドーにするかで、夜まで迷う。この迷っている時間が、けっこう楽しいんです。

弱点も正直に。CIMABUEはコードバン以外の革も幅広く扱っています。
クロコやエレファントまである。間口が広いぶん、コードバン一本で勝負する染め元の自社ブランドと比べると、「コードバン専門」の凄みでは一歩譲る印象です。
在庫も時期で動きます。型も色も、品切れや入れ替えがあります。
そのかわり、価格の入りやすさははっきりした強みです。かぶせのミドルウォレットなら、4万円台でレーデルオガワのコードバンが手に入ります。
コードバンの色を見比べてみる
ネイビーとボルドーは、写真より実物のほうが深い色に見えます。公式で今ある色を確かめてください。CIMABUE公式サイトで色を見比べる
UNIQUEONとCIMABUEを比較表で整理(革・価格・経年変化・向く人)
ここまでをひとつの表にまとめます。価格は確認時点・税込です。
| 項目 | UNIQUEON(ユニコーン) | CIMABUE(チマブエ) |
|---|---|---|
| 表の革 | レーデルオガワのアニリンコードバン | レーデルオガワのアニリンコードバン(別注) |
| 内装 | 特注の本ヌメ革(色によりミネルバボックス) | 栃木レザーの本ヌメ革 |
| 価格帯(財布) | 約44,000〜89,100円 | 約47,300〜57,200円 |
| 色展開 | モデルにより異なる | 黒・茶・紺・ボルドーなど(時期で変動) |
| 経年変化 | 使うほど艶が深まる | 使うほど艶が深まる |
| 立ち位置 | 染め元の自社ブランド | コードバン以外も扱う総合ブランド |
| 向く人 | 素材の素性に納得して選びたい人 | 色を選びたい・価格を抑えたい人 |
| 総合おすすめ | ◎ 迷ったらこちら | ○ 色と入りやすさで選ぶなら |
革の素性が近いぶん、表で見ると違いがはっきりします。どちらか1本だけ選ぶなら、私は染め元が自分で作るUNIQUEONを推します。素材の出どころで迷いが残らないからです。気になった方は、UNIQUEON公式サイトの財布一覧で現物の写真を見てみてください。
コードバン財布で迷ったときの選び方は?
迷ったときの考え方を、最後に整理します。素材で悩む必要はありません。
2ブランドとも同じレーデルオガワのコードバンです。決め手になるのは、内装・価格・色・買い方のほうです。
色をいろいろ見て選びたいなら、CIMABUEの公式で今ある色を見比べてみてください。ネイビーやボルドーは写真より実物のほうが深い色に見えます。
染める会社が直接作った一本に納得したいなら、UNIQUEONの公式でミドルウォレットの艶を確かめてください。
どちらも、買うなら公式が安心です。色や在庫はその日によって変わります。
気になった色があるうちに、公式の在庫ページで実物の写真を見ておくのがいいと思います。

3年使った今、コードバン財布を選んでよかったと思っています。会計で財布を出すたびに、少しだけ背筋が伸びる。
次の一本を選ぶあなたにも、その感覚が伝わればうれしいです。
